シェムリアップにあるティスタみんなで一緒に住んでいるアパートで、一人食あたりで倒れてたある日、
見知らぬカンボジア人が私を尋ねて来ました。
聞くと、「日本語の先生になってくれませんか!」
と必死な様子で頼んでくるのです。
何で私に?と聞くと、
ここに日本語の先生が住んでいると知人に聞いて、連れてきてもらったということでした。
驚きました。
狭い狭いシェムリアップの町だからなのか、どんな日本人がどこで何をしているというのは知れ渡っているようです。
語学習得に力をいれているNGOのスクールだそうです。
シェムリアップで一番大きなマーケット”プサー・ルー”(ルー市場)からすぐの場所。
英語、中国語、日本語を開講予定で、日本語の先生だけが見つかっていないということです。
日本の友人たちからは、「なんでカンボジア人が日本語を勉強するの?」
と聞かれます。
「英語の方が先じゃない?」と。
もちろんその通り、英語が先です。
ただし日本にいる方々が違和感を感じるのは次の点だと思います。
言語学習が最優先!
だということ。
その理由は、この町が観光産業で成り立つシェムリアップだからです。
アンコールワットがあるお陰でこの町は栄えました。
カンボジアの首都であり、政治経済の中心地プノンペンではなく、
第二の都市である古都バッタンバンでもなく、
シェムリアップであるからこそ、この町では語学が重要視されます。
(※それでも日本に比べると、働くために語学は必要です。出稼ぎで海外に行くからです。)
シェムリアップの町での主な観光産業での就職先と言えば、
ホテル、レストラン、ドライバー、そしてツアーガイド。
どの仕事も英語は当たり前に話せるだけでなく、各国の言語を操る人材が重宝されます。
近年、どんどん増えている外国人観光客数。
近隣のアジア諸国を中心に2020年には750万人の観光客を見込んでいるようです。
(※ちなみに2015年は目標としていた500万人にとどかず、480万人ほどだったそう。)
参考資料
カンボジア「観光客目標500万人達成は困難」|トメイトメイジャパン|成長国カンボジアの今を伝えるニュースサイト
現地に住んでいる感覚から言うと、
①中国語(人気急上昇中!圧倒的な需要!)
②韓国語(相変わらず重要視されている、韓国人の在住者多いです)
③東南アジア諸国の言語
ータイ語(一番近い外国)
ーベトナム語(切っても切れない縁なのか…)
ーマレー語(マレー系の方々よく見るようになりました)
④ヨーロッパの言語
フランス語(元宗主国)
スペイン語(ヨーロッパにとどまらず南米など母語話者が多い)
⑤日本語(意外と低め…?少し残念だけど需要は落ち着いてきている印象)
カンボジア、特にシェムリアップで生きていくための手段として、言語習得があるのです。
経済大国であり、島国である日本人には必要のない感覚なのでしょうね。
小学生から大学まで英語を学習しても、英語でのコミュニケーションが苦手と言われる日本人に対して、6才のカンボジア人の子どもは英語で私に話しかけてきます。
(これがまた笑えるんだ ;-))
日本語習得だって、本気で習っている人は勉強を開始してたったの半年という人でも、こちらが気を遣うことなく日本語で会話ができます。
他言語習得が生きていく手段という感覚、
母国語のみで一生を過ごせるという感覚、
どちらにもメリット・デメリットはあります。
どちらが良いというような見方はできないと思います。
大陸続きの東南アジアの真ん中では、こんな感覚に陥ることがあるのです。
さて冒頭の、日本語の先生を募集しているという件。
すごく、ものすごく引き受けたかったのですが、
すでに別の学校で毎日本気の授業を展開していたことから、引き受けることはできませんでした。
さあ、みなさん!
ここにあなたの能力を活かす場所があります!
あなたを求めている場所があります!
自分の知っている教育現場とはかけ離れた現実を前に、
気付くこと、考えることがたくさんあるはずです。
一緒に、シェムリアップで、何ができるか考えて、さらに縁を繋げていけたら本望です。
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