自分が当たり前だと思うことを、他人はそうじゃないかもと疑ってみる心の余裕が必要です

(過去の記事)

 

カンボジアに来る前は、「誕生日いつ?」なんて質問を、特に深く考えることもなく聞いていたと思う。日本ではタブーとされている家族の質問とは違って、誕生日なんて誰でも絶対持ってるものでしょ。でもこの国の、私の知ってる子どもたちの中には、自分の誕生日を知らない子どもが結構いる。自分の年だって知らない子どもがいる。理由は様々あると思うけど。

 

毎朝授業で決まった英語の質問をさせてるんだけど、その中の一つがこの「誕生日いつ?」っていう質問。「今7月って言ったけど、この前まで3月だったよね?笑」なんていうことも日常茶飯事。

 

ある日一人の子が嬉しそうに「さきっ!さきっ!」って小さい白い紙を一枚見せてくれた。いつものように、かわいい絵と知ってるすべての英語の知識を詰め込んで書いてくれる私へのメッセージかと思いきや、その日書いてあったのは、ひとつの日付だった。

【March 26, 2005】

「誕生日!誕生日だね!」

「Yeaaah! (そう!)」

休日明けで久しぶりに会った日だったから、

「お母さん帰ってきてたんだね!」

って真っ先に聞いたんだ。

「Yeaaaaah!」

 

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いつもの天使の笑顔にさらにつやがかかった、とろけそうな笑顔!

そんなに見つめられたら惚れちゃうわよっ!!

 

普段は遠くに働きに行ってるお母さんが、休日で帰って来てたって。久しぶりに会えたのと、自分の誕生日を聞けたんだね、っていう喜びで、とろけそうなくらい心があったかくなったんだよ。この日付、私も絶対忘れないからね!

 

ちなみにもう一つ付け加えると、ずっと「8歳」だって言ってたのに、「お母さんが自分は10歳だって教えてくれた!」って。一気に2つも年取っちゃったの?!こっちの認識の整理も大変よ。笑

 

 

 

 

国が違えば民族も違うし、宗教、文化や生活様式だってまるで違う。

っていうのは、「普通こうじゃん?」が通じない。

 

授業で使うトピックだって、結構気を遣う。

太陽は赤ではなく黄色なんだね。この件に関しては、黄色がワールドスタンダード?

 

高校生の英語の授業では、唯一テキストを使って進めていきます。

すべての生徒が買えるわけではない、一冊$2の高ーいテキスト!!

イギリスで出版されたものを、こっちでコピーしたんだろうね。

個人的にはなんだかセクシーで好きなBritish English…

書き言葉にしちゃうととても違和感のあるBritish English…

 

やっぱりその国の生活水準に合わせて作ってある。

「fashion show?」→ファッションショー(ニューヨーク、パリ、ミラノみたいな大きな都市で行われる、服を見せる舞台)

「Chanel?」→シャネル(イタリアの高級なお店)

「champagne?」→シャンパン(アルコールの一種、ワインみたいなのね。)

「cooker?」→コンロ(料理するときに使う、火ね。)

「fridgeってなに?」→冷蔵庫(refrigeratorを短く言ったものね。)

「冷蔵庫ってなに?」(食べ物を冷やしておくやつよ、すべての人の家にあるわけではないね。)

「家にはないや、高くて買えない。笑」

どの子の家にも冷蔵庫とかコンロなんてないから、イメージさせるのも難しい。

良かったかな?南フランスのデザイナーズハウスの話なんて読ませて…。

 

(※ちなみに、カンボジアでは冷蔵庫がないので、その日の分だけ朝買ってきて食べる。まだ炭を使って料理をする家も多い。)

 

最近は、週に1回Readingの日にしてる。

そこでは科学や歴史、地理みたいな人類普遍のトピックを扱ってみてる。

「Native Americanって?」→アメリカの先住民(元々アメリカ大陸に住んでた人、古い暮らしをしてるのね。)

でもなんか、この村の暮らしだって、私たちが懐かしくなるような“古い”暮らしなんだよね。周りにあるものをフル活用するような。

 

 

こういうときに、基準をいつも自分に合わせている自分に気付く。

 

 

悲しいとき、傷ついたとき、苦しいときも、一旦落ち着いて、なんで相手がそうしたのか、なんで自分はそうした環境にいるのかを考えてみるんだって。

そうすれば多分、一時的に腹が立ったときよりは、相手や今の環境を許せる気がする。

 

宗教や文化の違いだけで片付けられないことも多いけど、人間一人ひとりの違いなんだって考えることができたら許せることも増える気がする。

 

 

この国を理解するには、まだ時間がかかりそうです。

 

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