Money is Money!

(過去の記事)

 

夕方町まで帰ってくると、中心地の本当に手前に夜行バスが何台もとまっている。

歩道も車道も関係ない限られたその道を、人種の異なる人やバイク、車、観光バスやトゥクトゥク、自転車までもが行き交うことで、軽い渋滞みたいなのができる。それでも信号もないその一応主要な道路をそれぞれの向かう方向へできた隙間へと流れ込む。

まるで形の異なる原子が飛び交っているような。

 

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夕日も沈んだあとに、ちょっとだけ立ち寄ったアンコールワットも、今までにないぐらい多くの観光客が帰ろうとしていた。

ああー、そっか。私が住むこの町、観光のハイシーズンを迎えるようです。

人口約90万人のこの町に、世界中から約200万人の観光客がやってくる。中心地に住む人はもっと少ないはずだから、シェムリアップ市内だけ見たら、何て国際色豊かな町!

世界の様々な国や地域の人たちと毎日すれ違っていることになる。おもしろい町!

 

私が旅が好きな理由の一つが多分これ。

「多文化交流」

一言で簡単にまとめるとこんな感じ。

 

店員さんもお客さんもすべてが黒人さんだったマクドナルドとか、

ハロウィーンかと勘違いさせられたユダヤ人の住む町とか、

列車の中で偶然集まった4人で語った小さな夢の話とか、

世界の中心で見た星で涙を流した夜とか、

 

そんな、現実に抱える細かい不安や考え事をすべてその一瞬は忘れてしまって、

心が震えるような美しい瞬間が、踏み出した歩数の数だけ溢れてるから。

 

 

 

 

そんなはずだったんだけどね、

すべてがそんなに美しいわけではなかった。

 

そんな現実に直面する機会をこの国がくれました。

 

 

 

 

最近、こんな問い合わせをいただきました。

「以前、支援をしたカンボジアの男子学生さんから、久しぶりに連絡がきたと思ったら、iphoneを買って欲しいということでした。カンボジアではこれは普通なのでしょうか。その生徒さんに会いにカンボジアに行きたいと考えていたけど、やめておくべきなのでしょうか。」

私自身が、丁度カンボジアの人たちの依存度の高さに嫌気がさしていたところだったので、連絡をくださった方への返信も兼ねて、今一度考える機会をいただきました。

 

 

 

 

同じ時間を共にする人ほど、ときに立場や意見がぶつかることがある。

そんなときは逃げずにしっかり衝突した方がいい、と思ってる。

もしかしたらそこで関係が途切れてしまうこともあるかもしれないけど、それだったらそれでいい。

お互いを認め合って、もっと強い絆で結ばれる関係になることも大いにある。

 

 

 

前述したiphoneの話。それから今働いてるNGOスクールでの毎日が重なった。

重たかった、「お金」の話。

何かに付けて「支援」の要求。

顔を合わせるたびにそんな話になって、嫌気がさした。

毎日苦しかったし、

毎日力を尽くすべき場所はここではないんじゃないかと悩んだし、

いっそ辞めちゃおうかカンボジアなんて、と考えてた。

ラオスにでも行っちゃおうかなー。

 

それでも見捨てられない子どものこと、

これからの学校のこと、

それからやっぱり一番大きな理由は、自分のために。

 

自分のために、今までの時間は無駄にはできない。

まだこんなところであきらめられない。

 

 

そんなときに、しっかり話す機会を得ることができた。

自分一人ではたどり着けなかった議論にたどり着くことができた。

第二外国語の英語同士の会話。

第三者の目。

 

 

 

ティスタメンバーの一人、ゆっきーが、

「カンボジア人はお金がすべてです、僕はそう割り切ってます。」

 

 

なんて端的な一言。

こんなにすっきりしたのは、久しぶりだ。

 

 

 

それもそうだ。その一言ですべて片付く気がした。

なにせ貧しい国なんだ。国民だれもが口を揃えてそう言ってる。

「カンボジアは貧しい国だから。」

初対面の人にだって

「日本人?この家$100/月なんだよ。あなたの感覚で言ったら、安い?」

って言われる。

物価は上がるしIT化はどんどん進むのに、国民のお給料は変わらない。

過去30年間ずっと国家予算の3割もODAに依存していた。

外国はお金を出してくれる。外国人はお金を落としていってくれる人。

その考えがスタンダードになってしまうのも無理のない話。

 

そもそも違うんだ。

 

 

毎月決まって20万円が振り込まれる生活を断ち切ってまで、

こんな埃まみれの暑すぎる場所でただ働きするって選択ができる恵まれた環境にいるんだ。

 

 

何がそんなに重たくのしかかってたんだ。

 

 

お金は大切です。生きていくために。

どこにいたって、水準こそ違えど、お金が解決できることはたくさんある。

 

だからさ、やっぱり変えたいんだよ、教師のお給料を。上げてほしいの。

フリースクールって言っても、カンボジア人の先生にはお金を払う仕組みを整えたい。

 

それが教育を支えることになるし、

将来を背負った子どもを育てることに繋がると思うから。

 

 

 

ちょっとでも共感いただき、ご支援いただければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

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